「村川康嗣くんと歩む会」の発足にあたって

 

 

2014年7月27日

「村川康嗣くんと歩む会」代表 佐藤昌通

 

 

 このたび、「村川康嗣くんと歩む会」(通称:「歩む会」)」の代表をさせていただきます、佐藤昌通と申します。

 5年前の2009年、当時中学生1年生で柔道部に入部したばかりの村川康嗣君が、夏休みになってすぐの7月29日、柔道部練習中に顧問に「大外返し」という技で投げられ、重大な脳損傷の怪我を負います。そして、その約1ケ月後に、康嗣君は意識が返らぬまま亡くなりました。

 

 本来、安全であるべき学校において、死亡事故(注:本件は正しくは「事件」と言うべき事案です)は絶対に起こってはいけないものです。これは鉄則であり、大前提です。大事な子どもを学校に預ける親としては、自分の子が通う学校で、子どもたちが陰湿ないじめに遭う、重大な怪我をする、命を失うといったことは、絶対にありえないことと考えていますし、そういうことは何をおいても未然に防がなくてはいけません。

 

 しかし、滋賀県愛荘(あいしょう)町立秦荘(はたしょう)中学では、「柔道部員が亡くなる」という痛ましい事態が起きてしまいました。

 ――あの日の朝、康嗣君が部活を休んでいたら…?

 ――もし、その日、康嗣君が部活を見学にしていたら…?

 ――顧問があの日の康嗣君の体の変化にいち早く気づいていれば…?

 ――顧問の監督する柔道部で、ふだんから初心者に対するきちんとした教育的な配慮がされていたら…?

 

 こうした一つひとつの問いを自問自答すると、この事件は、防ぐことのできない事件ではなかったのでは…という思いに至り、残念でなりません。

 20代の、まだ社会的経験が必ずしも十分ではない顧問が、康嗣君のことをこんなにも「集中的にいじめる」ことが無ければ――、あるいは、そういう、まだまだ未熟な指導者を学校全体でサポートする体制や、子どもたちがもっとオープンな形で教師からの暴力を訴えられる環境があったなら――、おそらく最悪の結果は避けられたことでしょう。

 

 もちろん、顧問個人の責任や学校の管理責任だけではなく、私たち保護者の側にも反省すべき点が無かったわけではありません。試合に勝つためには、少々の暴力や体罰はあってもいいとするような一部の親たちの姿勢、柔道さえ強ければいいといった風潮が、あの当時、秦荘中にあったのは事実です。

 

 そして、その結果として、部活動での暴力や体罰を目にしても、見過ごしたり黙認したりするようなことから、「子どもたちへの暴力が日常化する環境」が生まれて来たのではないかと考えます。その意味では、学校現場での暴力行為に対して、きちんと声をあげられなかった私たちにも、責任の一端はあると感じています。

 

 「もし…あの時…」という想定は、〈~たら・~れば〉の仮定であり、すでに起こってしまった事実は消しようがありません。この事件の詳細が明らかになるにつれ、私たち保護者にとっても信じられないようなことも多く、大変悔しい思いに苛(さいな)まれて来ました。

 あの2009年7月29日のできごとが無ければ、いま康嗣君は高校3年生、家族で仲よく暮らしながら、将来に向けてあれこれと受験勉強に励んでいたことでしょう。恋や青春を精一杯に謳歌している康嗣君の姿を見られないことを思うと、ほんとうに悔しくて悲しい気持ちで一杯になります。

 

 

 今後は、村川康嗣君の事件を貴重な教訓として、今後、この世の中、特に学校生活において、子どもたちが重大な怪我を負ったり、まして命を落としたりすることのないよう、微力ながら力を尽くしたいと思っています。

 当面の活動としては、〈刑事事件〉として「滋賀県秦荘中柔道部暴行致死事件」での責任を追及していく活動、それから、現在、最高裁で審理の続いている〈民事訴訟〉での加害者個人の責任をはっきりさせる活動の2つを柱に、すべての子どもたちが、安心して学べる学習環境作りを目指していきます。

 当ホームページをご覧になり、一人でも多くの方が、当会に参加して下さることを期待しています。

 

以 上

 

 

 村川康嗣君と歩む会 概要 

 

 〈入会資格〉

◎「滋賀県秦荘中柔道部暴行致死事件」や、それに類する学校現場での教員による暴力事案やいじめ問題などに関心を持ち、そのような事件・事故を無くす為の活動をしたい方

 

 〈おもな活動〉

◎各会員が在住する地域での、同事件への啓発活動

 例 「滋賀県秦荘中柔道部暴行致死事件」冊子の配布

 例 村川さんを招いての講演会・懇親会 

◎ 最高裁への要請行動 etc

 

 〈会費など〉

◎会費は無料です。

 

 〈 備 考 〉

 2014年7月現在、「滋賀県秦荘中柔道部暴行致死事件」は最高裁に上告中ですので、首都圏での当面の活動は、最高裁に向けての要請行動などになる予定です。

 当会に関するお問い合わせは、下記までお願いします。

 ayumukai96☆gmail.com 

  ※☆を@に換えて送信して下さい。